初心者が電気工事士技能試験に合格するための勉強時間ってどれくらいなんだろう?
技能試験は初心者から25時間程度で合格できます。
2年半で16個の資格を取得した私が、体験談を交え解説しましょう。
第二種電気工事士とは
電気工事士とは電気設備の工事を行う際に必要な資格で、従事できる工事の範囲により第一種と第二種に分類されます。
- 第一種 第二種の範囲+600V越で受電する最大電力500k未満の電気工作物
- 第二種 600V以下で受電する電気工作物
電気工作物とは電気を供給するための設備であり、住宅や工場の受電設備・配線も電気工作物です。
第二種電気工事士を持っていれば、家庭用のコンセントの増設も行うことができる汎用性の高い資格です。
経済産業省の資料によると、第二種電気工事士は2045年に0.3万人程度不足する見込みとなっています。
出典:第16回 産業構造審議会 保安・消費生活用製品安全分科会 電力安全小委員会
出典URL:https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/hoan_shohi/denryoku_anzen/016.html
電気保安人材の中長期的な確保に向けた課題と対応の方向性について
入職者の減少も予想されており、需要が伸びる資格であると言えるでしょう。
受験動機
電気主任技術者の資格を持っていると、筆記試験が免除になります。
役に立つ資格で、筆記試験免除かつ会社が費用負担してくれるのに受けない理由はないですね。
試験詳細
上述した通り、電気主任技術者の資格を持っており筆記試験は免除でしたので、技能試験のみの解説となります。
技能試験の難易度は、公表問題を一通り練習すれば受かる程度です。
電気工事士の技能試験では出題される問題が、予め公表されています。
しっかり練習しましょう。
技能試験合格で最も大切なことは、ミスをせず時間内に施工を終了することです。
本番で時間に追われると焦りからミスをしてしまうので、練習時点では30分程度で終了できるようにしておくと、気持ちに余裕が持てるかもしれません。
判定基準・合格率
電気工事士の技能試験では欠陥が一つでもあると不合格、欠陥がなければ合格です。
欠陥の判定基準の代表的な例を紹介しますが、詳細は電気技術者試験センターのHPでご確認ください。
技能試験の合格率は72.8%(令和3年度)です。
平均的に70%前後になることが多いようです。
公表問題
技能試験は予め問題が公開され、問題数は13問となっています。
出題される問題は試験会場毎に違い、公表問題のどれか一つが出題されます。
問題毎に難易度がかなり違うので、どれが出ても合格できるように練習しましょう。
難しい問題が出題され不合格になっても、諦めずに再挑戦すれば簡単な問題に当たるかもしれません。
必要工具
技能試験に最低限必要な工具は「指定工具」として以下のように定められています。
リングスリーブ用圧着工具は、黄色いグリップ・JIS C 9711適合品・1982年以降の物であれば問題ありません。
試験では「大」の刻印は使用しないので、「◯・小・中」のみの小型の圧着工具でも問題ありません。
私が受験した会場は机が小さく、大きい圧着工具は取り回しが不便でした。
試験のみの使用であれば、小型の物をおすすめします。
練習
勉強時間
勉強時間は25時間程度で、内訳はこんな感じでした。
- 2時間 複線図の書方や被覆の剥き方等の基本的な事を学ぶ
- 15時間 公表問題を1回づつ練習
- 5時間 複線図の書方、ランプレセプタクルや露出型コンセント等の練習
- 3時間 苦手な問題を再挑戦
練習内容
会社に電気工事士を持っている方がいたので、教えてもらうことができました。
技能試験についてはコツや良し悪し等、やりながら教わるのが分かりやすいですし講習会や教えてくれる方を探す方が効率的です。
YouTubeには解説動画も充実していますし独学も無理ではないと思いますが、電線やスイッチ類を準備をしてくれる講習会は楽ですね。
公表問題を一通りやる間に頻繁に行う電線の切り出しや被覆の剥き方には慣れてきて、苦労する部分が分かるはずです。
苦労する部分は人によりけりだと思いますので、自分が重点的に練習したい部分を追加で練習しましょう。
個人的に苦労したのは、ランプレセプタクルや露出型コンセント等の輪っかを作って結線する部分ですので、重点的に練習を行いました。
全部の問題を2周するほどではなく、苦手な問題を再度挑戦する程度でOKだと思います。
受験体験
筆記試験はよく受けていますが、技能試験は初めてだったので少し緊張しながら本番当日を迎えました。
会場の机は学校で使用するようなタイプの机でかなり狭く、作業がしづらかったため露出型コンセントの結線がうまくできず少し焦りましたが、なんとか最後まで完成させることができました。
他の受験者の中には、部品が入っていた袋をテープで机の側面に留めてゴミ袋として活用している人や紐タイプのメジャーを机に貼り付けている人をもいて、その手があったかと感心しました。
露出型コンセントに手間取ったので少し不安ではありましたが、問題なく合格していました。
まとめ
- 欠陥が一つでもあると不合格
- リングスリーブ用圧着工具は、黄色いグリップ・JIS C 9711適合品・1982年以降の物
- VVFストリッパーは必須
- 独学も無理ではないが、教わるほうが楽
- 勉強時間は25時間程度
- 練習量は全部の問題を2周するほどではなく、苦手な部分や問題を再度挑戦する程度でOK
以上、ご清聴ありがとうございました。