危険物乙種の勉強時間ってどれくらいなんだろう?
乙種未保有者であれば30~70時間、性質・消火のみであれば5~15時間が目安です。
2年半で16個の資格を取得した私が、体験談を交え解説しましょう。
危険物取扱者とは
危険物とは消防法にて定められているもので、火災や爆発の危険性がある物質を言います。
危険物は性質から第1類~第6類に分類されます。
- 第1類 酸化性個体
- 第2類 可燃性固体
- 第3類 自然発火性物質及び禁水性物質
- 第4類 引火性液体
- 第5類 自己反応性物質
- 第6類 酸化性液体
※気体は危険物に含みません。
危険物取扱者は一定数量以上の危険物を取り扱う施設で、危険物取扱作業を行える資格です。
あくまで、一定数量以上を取り扱う施設での話ですので、一般家庭で灯油等の危険物を取り扱うのに危険物取扱者の資格は不要です。
また、危険物取扱者は丙種・乙種・甲種に分類され、取り扱うことのできる危険物が異なります
- 甲種 全ての危険物
- 乙種 指定された類の危険物
- 丙種 ガソリン・灯油・軽油等の指定された危険物のみ
第4類を取り扱うことのできる乙種を「乙4」のように略します。
第4類はガソリン・灯油・軽油・重油等、燃料として利用される物質が多いため、危険物取扱者の需要が高く、乙4は聞いたことある人は多いのではないでしょうか。
乙4はガソリンスタンドでも必置です。
ガソリンスタンドの数を考えれば需要が高いのは当然ですね。
乙4以外の危険物取扱者を必要とする会社は、化学工場・危険物の運搬・危険物の卸売等の特定業種の会社がほとんどです。
危険物取扱者試験受験者の68.7%が乙4、8.0%が丙種であり、それ以外の危険物取扱者資格を持っていれば上記の特定業種の会社への強いアピールポイントになるのではないでしょうか。
出典:令和3年版 消防白書 第2節 危険物施設等における災害対策
出典URL:https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/hoan_shohi/denryoku_anzen/hoan_jinzai/004.html
受験動機
前回の二級ボイラー技士から引き続き会社の資格報奨金狙いです。
甲種の報奨金が割と良い金額だったので、その布石も込みで乙3・乙4・乙5・乙6を一気に取得することにしました。
難易度
難易度は低いです。二級ボイラー技士よりほんの少し難しいかもしれません。
類ごとに性質・消火の科目が違いますが、難易度の差は次のような感覚です。
第1類 | 出題物質が多いが基本的な物質が多く簡単。化学物質に馴染みがない人は苦戦するかも。 |
第2類 | かなり簡単。リン系、硫黄系、金属粉系の物質のみ。 |
第3類 | 普通。アルカリ属、アルカリ土類金属の化合物がほとんど。初めて見る物質も少々。 |
第4類 | 難しめ。4類の物質は更に細分化され第1石油類等の分類があり、覚えることが多い印象。 |
第5類 | 難しめ。馴染みのない物質が多い印象。個人的には一番苦労した。 |
第6類 | 普通。覚える物質は一番少ないが、深く問われる問題が多く、簡単ではない印象。 |
第1類、第2類の難易度は甲種を受験した際の体験を元に書いていますので、乙種では多少の差異があるかもしれませんのでご注意ください。
類ごとの難易度感は個人差が大きいようで、人によってマチマチです。
他サイト等で別の方の意見も、見てみるといいかもしれません。
科目・合格点・合格率
危険物乙種は3科目あり、各教科6割以上正解で合格です。
合格率は乙種合計で44.9%(令和2年)です。
類ごとの合格率は1類71.5%、2類70.8%、3類70.8%、4類38.6%、5類71.2%、6類68.5%(令和2年)です。
乙4の合格率が他と比較して著しく低いですが、会社からの指示で受験し、あまり勉強していない人が多いからではないかと予想します。
要求される知識レベル
乙種の試験では細かい内容までは問われません。
テキストで学習すると難しく感じるかもしれませんが、細かいところはあまり出題されず、問題を周回してよく出題される知識を覚えた方が効率的です。
試験勉強
勉強方法
公論出版の「乙種4類 危険物取扱者試験」および「乙種1・2・3・5・6類危険物取扱者試験」を使用して勉強しました。
問題の的中率も高く、8割程度は同じ問題が出る印象です。
この参考書をしっかり勉強するに尽きます。
テキスト部分は乙種に出ない部分も多く、難しいです。テキストは全体的な理解に利用し、細かいところは覚えなくてもOKのスタンスが丁度いいくらいです。
問題部分をとにかく周回し、問題を解ける知識を身に着けてください。
危険物は甲種も乙種も、公論出版で間違いないです。
勉強時間
私の勉強時間は3週間、1日2~3時間、トータル50時間程度でした。
詳細な勉強時間は人により変わりますので、紹介した公論出版の参考書が8割正解できるくらいの勉強時間と考えてください。
勉強量として8割正解で本番ではギリギリ、全問正解であれば余裕で合格という感じです。
危険物乙種は1種でも所持していると、性質・消火の10問のみになるので勉強時間が大きく変わります。
場合分けして考えると以下のようになるでしょう。
勉強が得意だったり、高校レベルの化学ができたりすれば勉強時間は短くなりますし、勉強自体や化学が苦手であれば勉強時間は長くなります。
公論出版の参考書を見て、自分がどれくらいで解けるようになるかを想定すれば、大まかな勉強時間が分かるでしょう。
受験体験
危険物乙種は1つでも合格した類があると、「法令」と「物理・化学」の科目が免除され「性質・消火」のみの受験になりますが、私は科目免除の制度を利用せず最初に3類・4類を受験し、2週間後に別会場で5類・6類を受験しました。
理由は一つの類に合格して免状が発行されるのを待つのが、まどろっこしく感じたからです。
同時受験可能な類の数については消防試験研究センターの支部によって違うらしく、私の住む地域の支部は3つまで可能なようでしたので、2類づつ2回受験で甲種の受験資格をクリアするようにしました。
それなりに勉強したうえでの試験でしたが、見たことがない問題が1問ありました。
終わった直後に調べてみても参考書にはなく、検索してみましたが出てこない内容だったので、間違っても仕方ない問題ですね。
みなさんが受験時にわからない問題があっても、焦らなくて大丈夫です。
まとめ
- 危険物乙種の難易度は低い
- 公論出版の参考書で問題をとにかく周回する
- 乙種未保有者であれば30~70時間
- 性質・消火のみであれば5~15時間が目安
個人的な見解ですが、公論出版の問題は的中率8割程度です。
本当におすすめなので、皆さんも是非試してみてください。
以上、ご清聴ありがとうございました。